子どもの教育環境はすごく大事。では教師を選ぶほうがいいの?

若い教師が能力を発揮するのに何年かかるのでしょうか?

お子さんの学校の担任が若い先生になってしまったと心配になったことはありませんか?生徒の学力は、本人の勉強に対する姿勢だけでなく、保護者や校風などさまざまな影響を受けて決まりますが、最近の研究では、特に担当教師の能力が強く影響することがわかっています。
課題化する教師不足
この点について、池谷は「今、学校教育の現場が変わりつつある」と語る。

その原因は、教師の人材問題である。小・中・高の教員の約4割を占めていた50代のベテラン教員が、相次いで退職しているのだ。東京都だけでも、毎年約2,000人の公立学校の教師が退職している。
1999年には10倍以上あった公立小学校教員の競争率は、2009年には2.6倍まで減少した。近年は、追加採用も珍しくない。教職の不人気とあいまって、全国レベルで教師の質の低下が懸念されている。教育のツケは数十年後に国家レベルで回ってくる。教員の人材確保は、日本の将来を左右する重要な問題である。

実は、このような人材不足が問題になっているのは日本だけではありません。
アメリカでは、さらに深刻です。1988年に教員として勤務した年数の最高は25年だったが、2008年にはわずか1年になっている。想像を超える激務に意気消沈しているからなのだろうか。教師になってから5年以内に約半数が辞めてしまうと言われている。

…若い先生でも4年の教職経験があれば十分な力量があります。
途中で辞める人が多い中、若い教師が一人前になるには何年かかるのでしょうか?

最近、ノースカロライナ大学のヘンリー博士らが、アメリカの公立高校の教師を対象に行った大規模調査のデータを発表した。それによると、20代後半の新任教師は、4年間の教職経験があれば十分…という結果が出ている。文系科目より理系科目の方が熟達が早いようです。ちなみに、5年以内に退職する教師は、1年目からすでに指導力に差が出始めているそうです。
能力的に、若い先生よりベテランの先生を担任にしたいと思う親御さんも多いのではないでしょうか。しかし、脳科学の観点からは、教師経験4年の若手教師でも十分な指導力があるといえる。

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