部下をよく観察して仮説を立てる
多くの人が陥りがちなのが、「部下を引っ張るリーダーになろう!」「部下に従われたい!」という思いです。と思われるようなリーダーになりたい。そのためには、「堂々とした振る舞いをしよう」「仕事ができることをアピールしよう」「気の利いたことを言おう」「わからないことは親切に教えよう」と考えるのではないでしょうか。
こうした考えは、部下のためを思ってのことだと理解していますが、ひとつ大きな問題があります。自分がどう振舞うべきか、新人からどう見えるかばかりを考え、部下のことが見えていないのです。
これを忘れてはいけない。皆さんの中にも、やる気はあるけれども、空回りしているような先輩や上司がいるかもしれません。そういう人は、自分が部下からどう見られているかを気にするあまり、部下がどう動いているか、どう感じているかを冷静に見ることができないのです。その結果、やっていることも言っていることも、あまりにもずさんなものになってしまうのです。
自分がどう見えるかを忘れて、新人をよく観察する。
新人や部下に自分がどう見えているかは忘れてください。新人をどう指導すべきかを研究することは無駄ではないので、事前にやっておくべきですが、あくまでも部下を観察するための「視点」として考えてください。まず、状況を把握することが大切です。そして、新人がどのような状況にあり、どのような気持ちでいるのか、「仮説」を立ててください。
そして、次に教えるべきことと新人の現状とのギャップを埋めるために、どのような言葉を使えばいいのかを想像し、考えてみましょう。その仮説がうまくいったかどうかは、新人を観察して判断する。これが新人を教育する側の基本姿勢だと思います。
新人を指導するには、その場で見本を見せながら、すぐに真似できるような小さなステップに分けることです。見本を見せてやらせ、うまくいったら次の工程の見本を見せる。その工程を繰り返す。新人が一度でもうまくできたなら、落ち着いてやればできるようになります。途中で行き詰まったら、焦らず、前にやったことを思い出しながら、もう一度やってみることです。どうしたらいいかわからない様子でも、変なことは言わずに、今やったことを思い出しながら、自分でやってみるようにお願いします。
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